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大阪地方裁判所 昭和63年(ワ)10197号 判決 1991年3月25日

原告

アナグラム・インターナショナル・インク

右代表者社長

ギャリー・キーブス

右訴訟代理人弁護士

マイケル・エイ・ブラウン

澤井憲子

中川真理子

右澤井憲子訴訟復代理人弁護士

尾近正幸

被告

清原株式会社

右代表者代表取締役

斧原秀夫

右訴訟代理人弁護士

碩省三

増田正典

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一  当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  アメリカ合衆国ミネソタ州地方裁判所が昭和六三年四月一九日原告被告間の損害賠償請求事件につき、言い渡した別紙記載の判決に基づいて、原告が被告に対し強制執行をすることを許可する。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

第二  当事者の主張

一  請求原因

1  原告はアメリカ合衆国(以下「アメリカ」という。)ミネソタ州(以下「ミネソタ州」という。)法に準拠して設立された会社であり、被告は日本の商法に準拠して設立された株式会社である。

2  原告は、被告に対し、昭和六二年、アメリカ合衆国ミネソタ州地方裁判所(以下「ミネソタ地裁」という。)に、原告、被告間のナイロン皮膜売買契約(以下「本件売買契約」という。)の目的物に瑕疵があったとして損害賠償請求訴訟を提起した。これに対しミネソタ地裁は昭和六三年四月一九日に別紙記載の判決(以下「本件外国判決」という。)を言い渡し、同判決は同年五月一九日に確定した。

3  右判決は、次のとおり、民訴法二〇〇条各号の要件をすべて具備している。

(一) 本件に対するミネソタ地裁の国際裁判管轄権(同条一号)について

(1) 国際裁判管轄権については、当該外国裁判所が、当該外国法上裁判管轄権を有したうえ、わが国の法令又は条約がこれを否認していなければ足りるというべきである。ところでアメリカ法上は、被告がミネソタ州に商品を売り込むため代理人を二度も送っているから、被告とミネソタ州との間には十分な「連がり」(コンタクト)がありミネソタ地裁に裁判管轄権が認められるうえ、わが国には民事事件について一般的に外国の裁判権を否認する趣旨の法令又は条約は存在しないのでミネソタ地裁は国際裁判管轄権を有する。

(2) 仮に、同条一号が、わが国の法令又は条約が積極的に当該外国裁判所の国際裁判管轄権を肯定することまで要求していると解しても、わが国には国際裁判管轄に関する明文の法規がないため、国際裁判管轄の配分は、わが国の認める国際民事訴訟法の原則により、いずれの国において裁判をすることが適切かつ能率的であるかという観点から決定すべきである。本件のような商取引に係る紛争においては、アメリカで訴訟遂行をした場合と日本でした場合とで、両当事者間においてそれほど公平を失することは生じないが、被告が本件売買契約に基づき原告に送った商品(以下「本件商品」という。)はミネソタ州に保管され、またそこで右商品の検査が行われている等、本件に関する証拠はほとんど同州に存在しており、ミネソタ地裁において裁判を行うことが正確な事実認定に資する。よって、ミネソタ地裁に管轄権を認めた方がより適切な裁判が可能であるから、同地裁は国際裁判管轄権を有する。

(3) 仮に、前記国際裁判管轄の配分をわが国の民事訴訟法の規定を勘案して判断すべきであるとしても、被告の原告に対する前記瑕疵があったことに基づく損害賠償債務の履行地は本件売買契約の準拠法たる日本の民法四八四条により原告の住所地となるから、日本の民事訴訟法五条によりミネソタ地裁は国際裁判管轄権を有する。

(二) 送達(同条二号)について

ミネソタ地裁は本件外国判決事件の訴状の写し及び召喚状を、民事又は商事に関する裁判上及び裁判外の文書の外国における送達及び告知に関する条約に基づき、昭和六二年一一月一二日大阪地方裁判所を通じ(同年(エ)第二二七号)被告に郵便により送達した。

(三) 公序良俗に反しないこと(同条三号)について

(1) ミネソタ州法における訴訟手続が弁護士強制主義を採っている点も、その州の法廷運営のやり方にすぎず、それは貿易業務に従事する会社である被告も容易に知りうることであり、またミネソタ州で代理人を選任し、訴訟遂行を強いることは被告にとって格段正義に反するほどの不公平とは言いがたい。

また本件外国判決確定までの控訴手続期間は右判決言渡から一か月あり、日本にいる被告においても異議申立をするのに十分な期間があったのであるから、本件外国判決手続は何ら公序良俗に反するものではない。

(2) また本件外国判決手続においては、誤った契約書、注文書番号の記載された陳述書が提出され、一部実際に出荷されていない取引について損害賠償請求が右判決により認容されたが、それは原告の経理担当者の過失によるものであって、右判決手続は公序良俗に反しない。

(四) 相互の保証(同条四号)について

ミネソタ州においては、「金銭支払に関する外国判決承認法」により、次の各場合に該当しないことが、外国裁判所の判決の承認の要件とされている。

(1) 外国における裁判において、被告が応訴するのに十分な時間を与えられなかった場合。

(2) 判決を詐欺的手段により得た場合。

(3) 判決の基礎となる事実が公序良俗に反する場合。

(4) 判決が他の判決と抵触する場合。

(5) 当該裁判所以外の機関で争うという合意が当事者間に存在した場合。

(6) 被告に対し送達がなされた故をもってのみ管轄が生じた場合には、当該裁判所の管轄を認めても被告にとって極端な不都合が生じない場合。

したがって、ミネソタ州が外国裁判所の判決を承認する要件は、日本の民事訴訟法二〇〇条と重要な点において異ならないから、日本とミネソタ州との間には、相互の保証があるといえる。

4  よって、原告は、本件外国判決に基づき被告に対して強制執行をするため、執行判決を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1の事実は認める。

2  同2の事実のうち、本件外国判決がなされたこと、右判決が確定したことは不知、その余は認める。右判決書は被告に送達されていない。

3  同3の事実のうち、(二)は認め、(四)は不知、その余は否認する。

(一)(1) 民訴法二〇〇条一号は、わが国の法令又は条約が積極的に当該外国裁判所の国際裁判管轄権を肯定することまで要求していると解すべきである。

(2) そして右にいう国際裁判管轄権の存否の決定は、わが国に明文の法令が存在しない以上、わが民事訴訟法の国内の土地管轄に関する規定を斟酌してなすべきであるが、この点につき仮に原告の主張するように、国際裁判管轄の配分をいずれの国において裁判をすることが適正かつ能率的であるかという観点から決定すべきであるとしても、本件では、紛争の争点が商品の瑕疵の有無ではなく、本件契約において目的物の品質をいかに約したかにあり、右品質は原告代表者ギャリー・キーブス社長が来日し、被告の下請会社の視察後に日本において合意されたものであるから、すべての証拠は日本に存し、ミネソタ地裁において裁判を遂行しても適正な裁判は困難である。

(3) なお前記のとおりわが民事訴訟法の国内の土地管轄に関する規定を斟酌すると、原告主張のとおり同法五条の義務履行地の規定が問題となる。もっとも国際裁判管轄権の基礎となる義務履行地を決めるについては、わが国際民事訴訟法独自の適正・公平で能率的な裁判の運営を図るという理念に照らし、合理的にこれを決定すべきである。そしてこのような観点よりみる場合、契約上の本来の債務が転化した損害賠償請求訴訟において、その賠償義務が履行されるべき地で裁判を行うことは、当事者の予測、証拠の収集の点から合理的とはいえず、右地は管轄原因たりえないと解すべきである。

したがって本件外国判決は同法二〇〇条一号の要件を充たしていない。

(二) 民事訴訟法二〇〇条三号にいう本件外国判決が日本の公序良俗に反しないこととは、右判決の基礎となった訴訟手続が日本の司法制度・訴訟法の基本原則に反しないことをも含むと解すべきである。

ところで原被告間の本件売買契約には、いずれも日本と定める仲裁条項あるいは管轄合意が付帯しているので、被告は応訴するのに際しミネソタ地裁に対し同裁判所が管轄権を有しない旨主張する書面を提出した。しかしミネソタ州では弁護士強制主義が採られているため無視されてしまった。しかしてかかるミネソタ州の訴訟手続は、仲裁契約あるいは管轄合意の存在といった本案前の抗弁についてまで、弁護士強制主義をとっているものであって、被告の防御権を一方的にかつ著しく奪うものであり、日本の右基本原則に反する。

また、原告は、前記仲裁条項の記載された本件契約書裏面部分をわざとコピーせずこの部分を除いてミネソタ地裁に提出しているし、そのうえ、原告が日本においてアナグラムインターナショナル株式会社なる子会社を有し日本における仲裁手続に応じることは容易であるのに対し、被告がアメリカに何らの活動拠点を持たずミネソタ州で応訴することが極めて困難であるにもかかわらず、これらの事情をもあえて秘してミネソタ地裁で本件外国判決を詐欺的に取得したものである。

また本件外国判決は、被告が出荷していない商品についての損害賠償請求をも認容している。

したがって、本件外国判決は、同法二〇〇条三号の要件をも充たしていない。

三  抗弁

前述のごとく、原被告間には、本件売買契約に基づく取引については、アメリカの国際裁判管轄を排斥するとともに、日本において日本商事仲裁協会規則に則り仲裁をなす旨の合意が存する。したがって原告の請求は民事訴訟法二〇〇条一号の要件を欠いている。

四  抗弁に対する認否

否認する。

原告は本件売買契約書中の右仲裁条項の存在を知らずに調印した。ミネソタ州法においては、買主が合意していない条項を含む契約(確認)書に、買主をして調印せしめた場合には、①右条項が「契約条件の大幅な変更をもたらす場合」には、その条項は効力を有さず、②右条項が仲裁条項である場合には、右仲裁条項は「契約条件の大幅な変更をもたらす場合」にあたる(エヌアンドディー ファッションズ 対ディーエイチジェー インダストリーズ インク、五四八 フェデラル リポート第二版七二二頁ないし七二九頁、第八巡回裁判所、一九七七年)。

また右仲裁契約の存在は妨訴抗弁であり、被告が本件外国判決手続で右主張をしていない以上、ミネソタ地裁での裁判管轄権を否定しえないことになるので被告の主張は失当である。

五  再抗弁

被告が前記仲裁契約の存在を記載した書面をミネソタ地裁へ送付したのに対し、同地裁は、被告に対し、弁護士を通さない右申立が適式な申立に当たらず、このままでは欠席判決が出る旨の警告をしている。それにもかかわらず、被告はこれを放置したのであるから、被告は黙示に仲裁の利益を放棄したものと解すべきである。

六  再抗弁に対する認否

否認する。

第三  証拠<省略>

理由

一請求原因について

1  請求原因1の事実、並びに同2のうち、本件外国判決がなされたこと及び右判決が確定したことを除くその余の事実は当事者間に争いがなく、<書証番号略>によれば、ミネソタ地裁が昭和六三年四月一九日本件外国判決を言い渡し、右判決は同年五月二〇日ころ確定したことが認められる。

2  そこで同3(一)の民事訴訟法二〇〇条一号の要件(ミネソタ地裁の間接的国際裁判管轄権の有無)について判断する。

(一)  本件のごとく外国法人が原告となっている民事渉外事件につき、いずれの国が(間接的)国際裁判管轄権を有するかについては、わが国にこれを直接に規定する成文法規もなく、またよるべき条約、その他一般に承認された国際法上の原則もいまだに確立していない。そこで、右国際裁判管轄は、当事者間の公平、裁判の適正・迅速を期するというわが国際民事訴訟法の基本理念(条理)によって決するのが相当である。

具体的には、わが国の民事訴訟法の国内の土地管轄に関する規定は、国際裁判管轄を定めたものではないが、民事事件における管轄の適正な配分を図り、当事者間の公平、裁判の適正・迅速を期することを理念として定められたものであるから、この規定を類推し同一の法則によって決定するのが相当である。したがって本件損害賠償請求事件の場合、同法の規定する土地管轄の裁判籍のいずれかがミネソタ州にあるときは、ミネソタ州の裁判管轄権を肯定することによりかえって条理に反する結果を生ずることになるような特段の事情のない限り、ミネソタ州の国際裁判管轄権に服させるのが右条理に適うものというべきである。

(二)(1)  原告は、この点につき、わが国の民事訴訟法五条の義務履行地の定めを挙げ、被告の前記損害賠償義務の履行地は、本件売買契約の準拠法たる日本民法の四八四条を適用すると原告の住所地であるミネソタ州であるから、ミネソタ地裁には本件につき国際裁判管轄権があることになり、同法二〇〇条一号の要件を充たすと主張する。

(2)  しかしながら単に契約の本来の目的たる債務が転化した債務不履行による損害賠償義務の履行地にすぎない場合の債権者の住所地は、それが契約上の特約により明示されているなどの場合は格別であるが、さもない場合は同地に国際裁判管轄権を認めると当事者間の公平を失することになるので、前記条理上同地に国際裁判管轄権ありとすることはできない。そして<書証番号略>及び弁論の全趣旨によれば、本件売買契約中において、債務不履行による損害賠償義務の履行地を債権者の住所地とする特約等は存在しない。したがって原告の右主張は採用しがたいところである。

ところで本件損害賠償義務の履行地を本来の債務の履行地でみるものとしても、右各証拠によれば、本件売買契約中において、その地が債権者の住所地とする旨特約されていたり、一義的にそう明確になっているわけではなく、かえって、本件売買契約はいずれもCIF契約によるものであり、本件売買契約書裏面の特約によれば、船積の時点で危険が原告に移転すること、品質検査は日本の輸出法令に基づき、製造業者あるいは被告が日本において最終的に行うことになっていたこと、したがって被告の本件商品そのものに関する義務としては、右商品の船積に止まり、原告に引渡すことまで要しないこと、また原告と被告は本契約に基づく紛争を仲裁により日本において解決することを予定したことが認められ、これらの事実からすれば、義務履行地は契約上日本国に決まっていたものと解されるところであり、したがって義務履行地がミネソタ州にあるという原告の主張はやはり失当である。

(三)  なお、原告は本件商品は現在ミネソタ州にあり、またそこで右商品の検査が行われているから、前記瑕疵に基づく損害賠償請求訴訟の管轄をミネソタ州に認めることが証拠収集上便宜であり、より適正迅速な裁判の実現が可能となるので、そうすることが条理に適うとも主張する。

しかしながらこれに対し、被告側は、本件商品に瑕疵があるわけではなく、問題は本件契約において商品の品質をいかなるものと定めたかにあり、この点は原告の代表者と日本で合意したので日本に証拠がある旨反論しており、一概に右商品所在地であるミネソタ州に管轄を認めた方が条理に適うとは速断できない。

しかも、前述のとおり義務履行地、契約に関する紛争の解決予定地は日本国であり、右地での応訴についての被告の利益は保護に値するし、また日本国に管轄を認め、原告に右地での訴訟提起を強要したところで、原告はそれにつき予見可能であり、また弁論の全趣旨及び<書証番号略>によれば、原告は日本に関連会社を有しているのに対して、被告はミネソタ州はもとより北米には営業所、子会社などを持たないことが認められ、その双方の訴訟追行能力をも勘案した時には、ミネソタ州に管轄を認めることは前記条理に適うとは認められない。

3  以上のとおり、前記損害賠償請求事件について原告主張の理由によってはミネソタ地裁に国際裁判管轄権を認めることはできず、他に裁判管轄を認めるに足りる事由はないので、結局、外国判決承認の要件の一つである外国裁判所の管轄の存在が認められないということになる。

二結論

右事実によれば、原告の本訴請求は、原告のその余の主張を判断するまでもなく失当であるから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官笠井達也 裁判官金光健二 裁判官中垣内健治)

別紙 外国判決<翻訳文>

アメリカ合衆国ミネソタ州地方裁判所

民事裁判判決

事件番号四―八七民事六〇〇

アナグラム・インターナショナル・インク

清原株式会社

(該当項に×印)

□陪審員評決   この訴訟は陪審裁判のため当裁判所に提起された。事件は裁判に付され、陪審員は評決を下した。

裁判所による判決   この訴訟は裁判所の審理を求めて提起された。事件は審理に付され、判決が下された。

次のとおり命令し、裁定する。

被告は原告に対し、二五〇、七二一、四七ドルの額を支払うことを命ずる。

本職が保管する原本の真正な写し(一頁)である。

一九八八年五月五日

書記 フランシス・E・ドーサル

(署名) 書記代理

一九八八年四月一九日

書記 フランシス・E・ドーサル

(署名) 書記代理

アメリカ合衆国ミネソタ州裁判所

第四部

民事 四―八七―六〇〇

原告ミネソタ州法人

アナグラム・インターナショナル・インク

被告日本法人

清原株式会社

判決のための命令

原告アナグラム・インターナショナル・インクは被告清原株式会社に対する欠席判決を求め、よって一九八八年四月一五日下記に署名するアメリカ合衆国地方裁判所の裁判官により本件は審理に付された。

E・アン・マッキンゼイ氏は原告を代理して出頭した。被告の代理人の出頭はなかった。

弁護士の論証、法律の覚書およびこれを支える宣誓供述書、証拠書類、並びに一切のファイル、記録、訴訟手続に基づき、かつ記録事項につき適切に知らされたうえで当裁判所は、次のとおり認定する。

1、 被告清原株式会社は、本訴において召喚状および訴状の送達を受けたが答弁せず、出頭もせず、また法律に定める期間内に召喚状および訴状にも応答しなかった。

2、 原告アナグラム・インターナショナル・インクはその賠償請求を立証したので、当該金額につき判決し得る。

よって上記に基づき、次のとおり命令する。

1、 被告清原株式会社は本訴において、出頭すべき義務を怠った。

2、 原告の証拠に基づけば、被告は原告に対し250,721.47ドルを支払うべきである。

よって主文の通り命じる。

(署名)

アメリカ合衆国地方裁判所判事

ダイアナ・E・マーフィ

(備考)

被告がハーグ条約に基づいて、日本で召喚状および訴状の送達を受けた後、裁判所は被告の外国貿易部のゼネラル・マネージャー、Y・西林氏から書簡を受け取った。その書簡の主張するところは、当裁判所は被告に対して裁判権がなく、争いは仲裁契約に基づいて日本で解決すべきであるというのであった。裁判所書記は、この書簡は現地の規則に合致せず、受理できない旨を被告に伝えた。被告の書簡は訴状に対する答弁でもなく、また申立でもない。被告は欠席裁判の申立をされたのにかかわらず、更に何らの答弁もしていない。

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